トランペットの種類と各楽器の主要なメーカー

トランペットにはB管、コルネット、フリューゲルホルン、ピッコロトランペット等様々な種類がありますが、それぞれに定番のものがあります。

「トランペットの管の消費量」というジョークもドイツにありました

過去のブログ「トランペット奏者の管の消費量」

B・C管トランペット 

Bach

ヴィンセント・バックというメーカーの180ML37SPというモデルです。
これが定番中の定番ですが、初心者や子どもが最初に吹くのは難しいです。
感覚的には音の的が狭いというか限られているので、そこにうまくはめられるととても重厚でよい音を楽に鳴らすことができますが、的から外れるとまともに音が出ません。
高音になるほどそのポイントが絞られてくるので、あまり音がでないうちから持つのはおすすめしません。
よく中学生で、あまり息が出ないのにバックを持っていて音がでないというのはとてもよくあります。

プロでもバックかヤマハかの二択ですが、「バックじゃないとトランペットじゃない」と強い意見を持っている人も多いです。音大の先生でも、もともとヤマハを使っていてもバックに買い替えさせる人もいます。
バックの魅力はなんといってもその密度のある音です。いくら吹き込んでも楽器が負けることがなく、特有の輝かしく強い響きがあります。

ちなみにドイツでピストンのトランペットというと圧倒的にバックが使われています。

私はメインでバックのB管 180ML37SP を使用しています。
C管は#229 25Aパイプを使用しています。通常のモデルよりもマウスパイプが長く、B管に近い吹奏感です。サウンドも重厚です。


YAMAHA

みなさんご存じのヤマハのトランペットは世界でもかなり高い評価を受けており、シカゴモデルとニューヨークモデルという最上位機種はアメリカを中心に多く使用されています。最近では日本のプロオーケストラの方々もずいぶん増えてきました。N響の菊本氏をはじめ、多くのプレイヤーがヤマハにかえています。
バックとの大きな違いは1つは吹奏感で、もっと的が広く楽にならせるような感覚もありますが、バックが好きな人にとっては逆にロスが多く感じることが多いです。
最も大きな違いはやはり音です。シカゴモデルはかなり明るく軽い吹奏感で設計させているのでオーケストラには合わないという人もいれば、むしろ良いという人もおり、好みが分かれます。
ニューヨークモデルは吹奏感がバックに近く、音も重厚で似ています。バックよりも息の通りが太いような感じで好きな人も多いです。操作性はヤマハらしく優れています。
最近はWSという神代修氏監修の楽器も人気で、ベルが太くコルネットのような柔らかい音が特徴です。ヤマハはエリックミヤシロモデル等、様々な個性のモデルがあることも特徴です。

私はYTR8335WSのB管とC管のシカゴモデルをサブで使っています。

コルネット

コルネットはバックとヤマハ以外にも様々なメーカーがあります。
ヤマハを使っている人が多いですが、ゲッツェンというアメリカのメーカーのエテルナというモデルも多く使われており、アントンセン氏も使っているモデルで有名です。私もメインで使用していますが、軽い吹奏感で楽に演奏することができますが、ヤマハとはまた違ったものです。
他にもベッソンやクルトワも有名です。

ピッコロトランペット

ピッコロトランペットに関しては、シルキーが圧倒的なシェアを占めており、P5という直管タイプとP7というコルネットタイプのものがあります。私はメインでシルキーP5のゴールドを使用しています。
他にもヤマハのシルキータイプのモデル、3本ピストンのモデルも有名です。
バックのピッコロはあまり使われていません。
モーリスアンドレが使用していたセルマーの楽器も有名で、ストンビの楽器を使っている人もいます。

Es管トランペット

Es管トランペットはD管とセットになっていることが多く、C管より短いのでより軽い吹奏感と音色になります。
劇的に楽になるわけではないので、Es Durのソロの曲で使うか、室内楽で使うかなど使う場面は少ないです。
ハイドン、フンメル、ネルーダの協奏曲を演奏する場合に用いられることが多いです。

シェアが大きいのはシルキーのロングタイプで、B管と同じようなベルの長さで、マウスパイプが短いタイプです。その形のヤマハを使っている人もいます。
もしくは全体が短くなっているタイプのものもあり、こちらの方がより軽い吹奏感になります。
私はカンスタルというメーカーの楽器をメインで使用しています。

ちなみにD管は、バッハのクリスマスオラトリオやロ短調ミサ等のバロック曲の3rdで使われたり、ベートーヴェンの交響曲で使われることもあります。7番や9番などAが頻発する曲の場合はとても有効です。


フリューゲルホルン

フリューゲルホルンはB管の楽器で、 ホルンという名前がついていますがトランペット奏者が演奏します。音域はトランペットと同じですが、柔らかい音色がします。 ジャズでもよくつかわれていて、室内楽や金管アンサンブルでも活躍します。
元をたどるとコルネットと同じ属にあたります。4本ピストンのタイプだと最低音のさらに下のBまででます。
4本ピストンの楽器を出しているのはゲッツェン、クルトワ、ストンビです。セルゲイナカリャコフがクルトワを使っているので最近人気な感じがします。
ヤマハも定番です。バックのフリューゲルはあまり見ません。
使用頻度が少ないわりに高価な楽器なのでクラシックの人はもっていないことが多いです。
マウスピースがホルンのように深いので高音はトランペットより難しいですが、中音域はいい音が出やすいので、趣味でやりたい方は案外フリューゲルからやるのもいいかもしれません。

ちなみにドイツではロータリーのフリューゲルホルンもあり、民族音楽でよく使います。




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コルノ・ダ・カッチャ

コルノ・ダ・カッチャはホルンの祖先のような楽器で、ソプラノホルンとでもいうような楽器です。音域がトランペットと同じくらい高いのでトランペット奏者が演奏することが多いです。バッハのロ短調ミサなどででてきます。ハイドンなどもGまででてくるのでモダンホルンのように長い楽器で吹くには少し無理があります。
ネルーダの協奏曲はこの楽器のための曲なので、よく演奏されます。


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